北の歳時記

道東の自然と野鳥を紹介しています

2017年01月

本来、厳冬期の道東の原野は、極端に鳥が少なくなります。特に小鳥類はほとんど見かけなくなります。それだけ厳しい自然であるとも言えます。11月~12月の冬の初めには、冬鳥は例年やってきますが、更に厳しい厳冬期になれば根室地方では、せっかくやってきた冬鳥たちもより過ごしやすいところへ移動します。
それにしても今年の1月以降の冬鳥の少なさは、ここ何年間で一番かもしれません。そんな中で、ハシブトガラやツグミが少ない餌を求めて活動していました。

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 チカなどの小魚がいるのか、漁港にカワアイサが入ってきてます。いつもはオスばかりなので、今日はメスを撮ってみました。

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 撮る鳥もいないので、漁港で海ガモを集中的に狙います。曇天ですが、雪もちらついて雰囲気は良いです。近くにホオジロガモがいましたのでじっくり狙ってみましたが、何故かホオジロガモはこれまでもピントが来ない鳥です。小鳥より撮りやすいだろうと思いがちですが、意外に漁港での水鳥はピントが来ない場合が多いです。鳥の写真の場合は多くは目にピントを持って来たいのですが、頬の白い斑に持っていかれるのか目にピントが来ないケースが多いように思います。試しにメスのホオジロガモはきっちり目にピントが来ます。今日は他に撮る鳥もいないのでその辺を注意して撮ってみました。

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 外海のホタテ漁が最盛期で、漁港は賑わってます。海産物が多いと餌が出るのでカモメ類も多くなります。小鳥が少ないので港でめぼしいカモメ類を探しますが、常連のゴメ類だけです。

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 鳥はかなり少ない状態が続いている分、エゾシカの多さが気になります。まだ先は春はだいぶ先ですが、食べるものが無くなってきて、樹皮食いが目立つようになってきました。まだ、本格的な降雪はこれからなので、一気に大雪がくればさらに食べるものが少なくなりますね。

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 エゾシカが厳冬期に森から出て、潅木帯や海岸の草地で、積雪の少ないところに集まってきています。
いつもの光景ではありますが、何を食べてるのか・・・。
地表は凍ってるので、球根類は掘り出せないはず。よく見ると、イネ科の草が雪の下ではまだ青々していますし、枯れ草も食べてるようです。それにしても、森の中での樹皮食いはとても心配です。
やっと2つ目の箱罠が設置されましたが、大きな効果は期待できないかもしれません。

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 一斉カウントも2017年度で14年目です。何とか15年目が見えてきたような・・・。

2017年1月14日に記録した鳥
 オオハクチョウ、マガモ、ヒドリガモ、カワアイサ、ホシハジロ、ホオジロガモ、シロカモメ
オオセグロカモメ、ハシボソガラス、ワシカモメ、オオワシ、コオリガモ、オジロワシ、ウミアイサ
クロガモ、ケイマフリ、ハシブトガラス                以上 17種

 今年のここまでの冬鳥の状況です。お正月前までは、ハイチュウの♂やコミミズク、ケアシノスリ
などが出て比較的良い滑り出しでした。ユキホオジロも100羽以上の群れが道東各地で観察され
、ユキホオジロの当たり年ではありました。しかし、クリスマス辺りからの荒天で積雪も一気に増えて
冬鳥の状況が一変し、鳥枯れの状況です。特に小鳥類はほとんど見かけなくなりました。
また、氷下魚漁も今年は行われないので、いつもは100羽以上のオオワシも10羽程度です。
寒波や荒天で、2月に状況が変わることもあるかもしれないのに期待です。

仕方がないので、漁港巡りでウミスズメ類を探していますが、こちらも今のところ収穫なしです。
根室方面では、早くもエトロフウミスズメがたくさん出てるようですが。

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港もスズガモなどの常連さんしか見当たりません。


 広大な牧草地帯にある推定樹齢300年のハルニレの独立木。エゾフクロウの越冬穴がある樹でもあります。今年初めて、様子を見に行きましたが、1羽入っていました。運が良いなあ。
しばし、撮影していたら、この牧草地の牧場主が通りかかりました。何か言いたいことがありそうなので、近づいていくと「前から気になってたんだけど、そんなにここは良い風景なのかい・・・?」「毎年、カメラマンがこの樹を撮ってるのを見かけてるけど、大した景色でないべえ」「作業に邪魔だから、ことし伐採するべと思ってたんだ」おいおい、それはちょっと困るな!ということで、エゾフクロウを双眼鏡で見せて冬にやってくる非常にありがたい樹であることを説明すると、「そりゃ良かった。あぶなく切るところだったべあ。ハハハハハ・・」と大きな声で笑って帰って行きました。大らかで明るい地主さんでこのエゾフクロウもしばし、家を失わずにすみそうです。

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